伊勢神宮は集客の知恵に溢れていた。

●ここは休日のセンター街か!!

地方の街でも、その集客力に驚かされることがあります。最近驚かされたのが、三重県の伊勢神宮と、その内宮に隣接する「おかげ横丁」です。平日に行きましたが、おかげ横丁は「ここは休日の渋谷センター街か!!」と思いました。まともに歩けない位、人が溢れています。しかもセンター街とは違うのが老若男女と実に幅広い人が集まっていることです。

地方の商店街というと人影もまばらなシャッター通りを思いがちです。ただ、こういった元気な街に注目することで、集客の様々なヒントになりそうです。

伊勢神宮 内宮

●集客の仕組みに古来からの知恵

伊勢神宮は、最近のパワースポットブームで、決してアクセスしやすい立地とは言えない場所で、なんと年間788万人もの人を集客しています。これは大阪USJの集客数に匹敵します。私の周りでも「最近行ったよ。」と言う人が多く、2013年の遷宮をひかえ、今後もますます多くの人を集める可能性が高まっています。

ところで、この伊勢神宮、集客の仕組み作りに古来からの知恵が溢れています。

まず、モチベーション(動機)づくり。江戸時代、人口の大移動が起きたと言われる「おかげ参り」。収穫が終わった後の参拝です。農閑期という余裕あるタイミングで神様に感謝するための旅行です。これほど自然なモチベーションはないでしょう。また、式年遷宮という20年に一度の大イベント。これも大きな集客モチベーションになっています。天武天皇の時代から続く、地域を挙げてのリニューアルイベントです。

そして、環境空間体験です。実際に参拝体験することの意味を強く感じます。神宮の森、木立の中を、数十分歩いての参拝は、日常的な時間から切り離された気分にさせてくれます。心身ともリフレッシュできる訳です。

●組み込まれている観光生態系

また、周辺への波及効果も組み込まれています。鳥羽、外宮、内宮という正式な参拝ルート。つまり、鳥羽で身を清めて、まず衣食住の守り神である豊受大御神を祀る外宮を参拝し、それから天照大御神を祀る内宮に行くというルートで、各拠点が補完しながら相乗効果を生む、いわゆる観光生態系が出来、広域波及効果が仕組まれています。

ただ、外宮は少し立ち後れ感があるようです。外宮から内宮へ行くため乗ったタクシーの運転手さんは、「鳥羽の旅館の仲居さんも最近は若い人が多くなって、直接内宮へ道案内してしまう事も少なくないのですよ。」と嘆いていました。

その内宮の隣には、先に上げた、地方にあっては驚異的な年間400万人を集客する赤福プロデュースの「おかげ横丁」があり、ここでお土産を買ってくつろいで帰ることがひとつのスタイルとなっています。今は、これが周辺の「おはらい町」へと拡大中です。

●街づくりのヒントに

おはらい町の賑わい

こういった古来からの集客の仕組み作りは、観光を主とした街づくりのヒントになりそうです。開発計画のベンチマークにしてはいかがでしょうか。こういった目に見えない知恵を、3C4Pなどマーケティング・フレームワークで、せめて言葉化して、自分の街、新たな計画地と比較してみると面白いかも知れません。

日本ならではの集客の知恵を、今の時代性を背景にベンチマーク的に活かしていく価値はありそうです。

 

(2012年2月/ameblo)

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