10年後から見たインパクト分析!

都市再開発は、歴史的世界観への共感をベースに

●街の再開発コンセプト

iphoneのアプリで、古地図が人気のようです。例えば、渋谷の当社が位置する鶯谷町(旧オフィス)は、明治文明開化期は茶畑で、戦後は一気に住宅地になって行ったようです。当時から、近くに渋谷川が流れています。今でも暗渠ではなく、ほぼ同じ場所に位置しています。このアプリは、現在地の歴史的背景が時系列で分かるという意味で、とても興味深いものです。人気の理由が分かります。

ところで、地域再開発の仕事をしていて、打合せでよく「地位」(じぐらい)という言葉を聞きます。まさに街の位そのもので、畑地よりお屋敷町の方が、当然、位が高かったりします。これは街をその生い立ちから見ようと言うことです。

今回の事例は、こういった視点で、ある街の商業領域における駅前再開発コンセプト計画業務を行ったケースです。様々な街の要素を調べ、インパクト分析で開発の方向性を導き出して行きました。

●ナショナルブランドの導入になりがち、それで良いのか

再開発のコアメンバーとの打合せで、
「どこにでもあるような街を目指すのではなく、独自性を活かし隣接都市とも棲み分けが出来る集客力の高い街を目指したい。」
ということでした。

ところで、ユニクロ、無印良品、スターバックス、ABCマートなどは、言わずと知れたナショナルチェーンのパワーテナントです。ただ、都心を中心に、もはやどこに行ってもあるブランドになってきています。メジャーブランド、マスブランドの限界で、どうしても街を金太郎飴化してしまいます。かっては、強力なプラスインパクトだったこれらのブランドも一般化しすぎて都心では逆にマイナスインパクトに変化しつつあるようです。

こういったある種、経営的な安心ブランドに依存しないで、全国一律の画一的コンセプトから脱皮できないかということが課題でした。

●インパクト分析で、機会・強みに注目

街のオリジナリティで集客性を高める。つまり、立地、商圏の強みと、その街ならではの歴史とから導き出したコンセプトをベースに、商業、文化など街のエレメントを構想しました。

まず街の歴史を調べます。江戸時代位から現代までどのような変遷をたどってきたか。時系列で起こった出来事を追っていくと、まるで人格のような街の気質や、特徴が浮かび上がってきます。こういった、DNA的な歴史に注目しました。また、合わせて、周辺都市の居住・事業所・商業などの現状と、将来的な開発計画を調べ、街をポジショニングしました。

そしてこの歴史、商業実態など街のリソースとポジショニングから「インパクト分析」を行います。プラス、マイナスインパクトは何かをピックアップ、ここから開発の方向性を導き出します。この段階で重要なのは、次の2つの視点です。

1.再開発完成後の時点を想定して分析。
完成時、既に時代遅れになっていないよう、その時点の周辺環境を予測して、変化を折り込んだ分析をします。
2.「強み(プラス)に注目する。」
P.F.ドラッカーの言うように、弱みを一般的な水準に押し上げても街の魅力は生まれません。強みを更に伸ばした方が効果的なことは言うまでもありません。

●周囲の人たちに関心を持ってもらうきっかけに

都市再開発のようなプロジェクトでは、その街に関わる多くの人の参加が求められます。中でもコンセプトをシェアしてもらい拡散していくためには、歴史的な世界観を背景にした共感が重要なポイントとなります。ここから参加者も増え、どんどん波及していく可能性を持ちます。

「面白いですね。そんな歴史的背景があったのですか。」

と興味を持ってもらえれば、まず成功です。この計画は、10年を超える未来の竣工で、完成するのはまだまだ先ですが、こういった流れでの開発は、ますます街を面白くします。まさに10年後から見たインパクト分析という訳です。

 ポイント

インパクト分析は、歴史的視点で独自性、強みに着目する。

(当社事例集「店づくりを成功させる6つの秘訣」2013年)

詳しくは、「マーケティング戦略」のページへ。

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