将来人口の読み違えに注意

-推計人口と人口増減数実態の違い-

●将来人口の読み違えに注意

商圏分析も最近、過去のデータからだけではなく将来的な推計資料を基に考察することが多くなっています。首都圏でも

「なんでこんなに人口が減っていくんだ!!」

と想定以上の人口減少に驚くようなケースに時々あたります。将来人口は、例えば2020年の推計人口から、国勢調査2010年の人口と比較する訳です。この推計人口が少しくせ者で扱いを注意しないと大きな間違いをしてしまう結果となります。

●推計人口データの特徴

推計人口は、自然動態と社会動態を要素に推計しています。この自然動態は、出生、死亡などの人口増減、社会動態は流入出が基本となっています。ただ、今までの分析経験から見ると、どうも社会動態の要素が推計値に対して弱いようです。

特に、社会動態が激しい都心部やその周辺で、実態と異なる印象です。例えば、実態のデータである国勢調査の1995年から2010年まで15年間は人口減少がほとんど無いのに、2020年の推計人口から見ると2010年からの減少が多いというケースがよくあります。

●推計人口と実態人口推移データの違いを相関分析から検証

違いを確認するため、今回の神奈川県代表駅商圏のデータを使って、簡単に相関分析してみました。これで、やはりと言えるような面白い結果が出ましたので紹介しておきます。

推計人口増減数(2010―20年)は、15歳未満人口、世帯主年齢20-29歳1人世帯、20―29歳人口と相関が高く、子どもの多さ、将来的に出産の可能性が高い若年層の多さと関連しています。これに対して、平均人口増減数(2000-10年)は、共同住宅世帯数、昼間人口、15-64歳人口など転入出インフラや会社勤務者を示唆する要素と関連が高くなっています。5年未満居住人口は、どちらにも共通しています。

つまり、推計人口は自然動態寄りで、過去推移は社会動態寄りといえます。

今回の分析サンプルが神奈川県という首都圏の特徴かも知れませんが、特に都心寄りのエリアにおいては過去実態から推計した方が妥当な結果のようです。

都心やその周辺では、社会動態の影響が大きく、自然動態寄りの推計人口を使う時は注意が必要と言えそうです。

 

(2016年3月当社メールマガジン31号より)

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