差別化戦略は確実に出来ていますか?

 -ポジショニングに効果を発揮する多変量解析-

●ポジションマップによる見える化の効果。

結果は、見事に市場を表したものとなりました。打合せテーブルに拡げられたブランドマップは、No.1ブランドが軸の交点である中央に位置し、個性的なブランドは、中央からより離れた位置にプロットされました。どのような要素で離れているかは、店舗属性の位置関係からクリアに読み取れます。

「競合ブランドは、しっかりアイデンティティが取れているなぁ。」
「やはり、うちの店はこの特性が強みのようだ。」

ここまで見える化が進むと、やや半信半疑だったクライアントからも、様々な意見が出てきます。これは、1ヶ月程前、あるサービス業チェーンの担当者から、受けた相談の結果です。

●ブランド確立に効くポジショニング。

「うちの店舗は、ブランドの位置づけはもちろん、店舗コンセプトから、デザイン、コミュニケーション方法まで、残念ながら整理、統一できていない。」
「ここで一旦見直して、競合チェーンともハッキリ差別化した展開をしたい。」

例えば、ヘアサロン、歯科医院、クリーニング、エステ、各種教室などサービス業は、もはや業種やロゴサインでアピールしても競合関係の中ではプレゼンスを保つことは不可能となっています。ブランディングが、集客やビジネスのキーポイントになっている訳です。そこで、

「3C4Pで、一旦ブランドのマーケティングフレームを整理し、消費者と
チャネル調査でそのポジションを検証してみましょう。」

と提案したのでした。いずれにしても、ブランディングは、他ブランドと市場の中での位置関係で決まります。そこで、整理した3C4Pのフレームに基づいて、消費者調査で主なブランド価値評価、店舗調査で代表的店舗の特徴を把握しました。

●「エイヤッ!」で決めて大丈夫?

ここから、店舗ポジションを検討します。この段階で、陥りがちなのが、せっかく調査したのに、「エイヤッ!」とばかり、主観的、恣意的に決めてしまうケースが意外と多いことです。適当にポジション軸を決めて、自店、競合店をプロットしてしまいがちです。

また、いきなりコンセプトワークから入る人もいます。成長期の業種ならまだしも、全体的に成熟社会の中で、コンセプトだけでブランドを差別化することは難しくなっています。そこで、コンセプトワークの前提としてこのポジションニングを検討することが重要になっている訳です。

そこで、データに基づき、ポジショニングをするため多変量解析の出番です。このケースでも「えっ、そんな分析が出来るの?」と驚かれました。

●データに基づいた見える化が新しいチャンスを生み出す。

方法は、データ特性で異なり、量的数値(連続)データなら主成分分析。1,0(ゼロ)のダミー変数なら数量化理論3類、アンケート結果などのカテゴリー、順位データならコレスポンデンス分析です。

主成分分析を例にすると、多次元のデータを特徴が最も表れる新しい要素に要約する手法です。変数の分散が最大になる方向に固有値という新しい軸を計算。結果、要約された対象(店舗)とその属性(特徴)を2軸上にプロットし、その距離でブランドの特徴を読むことが出来る訳です。

また、計画した店舗モデルの属性変数を変えることで、ポジションがどう変わるかシミュレーション出来ます。例えば、「店内通路を広くしたり、ソファーを置いたり環境アメニティを改善するとポジションはどう変わるか?」などに答えを出せます。

広告等では、コレスポンデンス分析が一般的ですが、店舗開発企画には、まだまだ活用されていない状況ではないでしょうか。このようにデータに基づいた見える化が新しいチャンスを生み出す時代のようです。

●最後に、ポジショニングとは

数量化理論を開発された林知己夫先生が、まだ、ご存命中に講義をお聞きしたことがあります。先生のお話の中で、非常に印象的だったのが、

「標準から偏差したところに注目すべきである。」

と言われたことです。一般的に統計分析というと、平均や正規分布から最も代表的な数値に注目しがちです。座標軸の中心に近づけば近づく程、こういった数値になります。こういう数値に着目しても何ら新しい発見はないと言うことです。

ポジショニング分析を行う意味もまさにここにあります。標準から偏差したところで、自店の強みを活かし消費者ニーズに合った位置づけを探る事です。

決して、真ん中に注目し、過剰な競合関係に陥ったり、No.1ブランドと真っ向勝負したりすることではありません。

 


ポイント データに基づき確実にポジショニング

 

 

(2014年1月/当社事例集「様々なデータ活用で出店を成功させる6つの秘訣」より)

 

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