都心の飲食店集中も、いよいよ限界か?

-飲食店は、都心高度集積エリアから都心住宅地・再開発郊外へ-

飲食店は、集積相乗効果が期待出来る代表的業種と考えていました。繁華街である銀座・新宿に飲食店も集中したり、飲食店街やフードコートなどその集積を売りにする業態があったりするからです。ところが、駅商圏で、その増減数を集計してみたところ意外な結果となりました。

当社は、出店マーケティングを主業務とする会社です。街ごとに「どんな業種が増え、どんな業種が減っているか。」をつかむことは、その街の特徴や動向を理解する有効な根拠となります。

■飲食店舗数増減数トップ&ボトム8駅商圏マップ

(凡例:飲食店数増加駅商圏  飲食店数減少駅商圏)

●飲食店数増加駅は、No.1池袋、No.2中目黒、No.3恵比寿

この1月に経済センサス2014年のメッシュデータがリリースされました。前回、このブログで紹介した商業統計からの「神奈川県/ショッピング客拡大駅商圏」と同じように、今回は、業種を特定して飲食店で、その増減数という指標で動向を比較してみました。対象は、首都圏乗降者数上位200駅の駅1km商圏です。


飲食店数増加駅は、No.1池袋 158店、No.2中目黒 89店、No.3恵比寿 77店の増加となりました。逆に減少駅商圏は、No.1新橋 -897店、No.2銀座 -751店、No.3東銀座 -746店の減少でした。

飲食店数増加トップ8は、いずれも近年都心住宅地として注目されている池袋、中目黒、恵比寿など、また、押上(東京スカイツリー)、二子玉川、海浜幕張、辻堂など新しい近郊、郊外再開発エリアという結果でした。都心で渋谷が入っていますが、ここは伸び率3.1%と成長性は、それほど高くありません。

逆に、飲食店の店舗数が減少しているのが、銀座、有楽町駅周辺の高集積エリアです。新橋、銀座、東銀座、日比谷、有楽町、虎ノ門です。合わせて、新宿、新宿三丁目の減少も500店以上、20%前後の減少となっています。

●都心への飲食店集中にも限界が出てきている

「この原因は何だろう。」と飲食店数増減の主な要因を決定木分析で探ってみました。目的変数(y値)を店舗数増減数とし、その要因となる説明変数(x値)を、商業統計、経済センサス、国勢調査から様々な指標をピックアップしました。

その結果、影響の大きな要因として、飲食店事業所数、65歳以上人口増減数、全産業事業所数が特定されました。決定木分析の分岐を繰り返してもR2乗値があまり上がらない3分岐で判断してみました。

まず分岐の上位ノードを見ると、飲食店事業所数が2,588店未満で平均の事業所減少数が-30店となっています。首都圏200駅の平均は、-57店です。これと比較して減少数は少ないといえます。つまり飲食店が集中しすぎないことが減少数が多くならない要因です。

次の分岐では、65歳以上人口増減数が0人以上となっています。ここでの平均増減数は、-22店とさらに少なくなっています。普通に高齢者が増えている、つまり住宅地としての特性があるエリアと推測されます。3分岐目は、全産業事業所数です。事業所数が8,576社未満では、平均増減数は、-12店と最も少なくなっています。つまり事業所立地の特性が強すぎないことが店舗数の減少しない要因になっているようです。

逆に、下位ノードを見ると、飲食店事業所数が2,588店舗以上の駅商圏で、-694店舗と突出して減少数が多くなっています。これは過度な集積と見てとれます。

●集積相乗効果があるとされる業種・業態も、集中限界の確認が必要

1km駅商圏内店舗数と、増減数の関連確認をするため、店舗数と増減数を2軸上にプロットしてみました。(下図参照)確かに、商圏内2,500店以上は店舗数減少数が多くなっています。

飲食店は、集積相乗効果が期待される代表的業種と考えられてきました。今回の分析結果によると、その集積度も限界があるようです。人口の都心集中と合わせて、小売・サービス業も都心への集中が進んでいます。集積相乗効果があるとされてきた業種・業態も、その集中限界を確認する必要が出てきたようです。

【お知らせ】

「首都圏乗降者数上位200駅商圏/飲食店増減数駅ランキング」のリリース(pdf)がダウンロード出来ます。関心のある方は、ニュースリリースページ「飲食店数増加駅ランキング」からどうぞ。

(2018年1月/ameblo)

お問い合わせ