店舗デザインに多変量解析を使う?

-クリエイティブにも効果を発揮する要因分析-

●デザイン領域においても、エビデンス(根拠)が求められる

少し専門的な書籍「統計学が最強の学問である」(西内啓著/ダイヤモンド社)が話題になっています。この中に「A/Bテスト」が取り上げられています。これは、「デザインにせよ機能にせよ、AパターンとBパターンを両方試してみて比較する、と言う意味である。」この検定を「カイ二乗検定」で行うものです。

webデザインの分析にも使われ、業界ではホットなトピックとなっているようです。

このようにデザイン領域においても、エビデンスが求められるのが昨今の動きのようです。当社への相談で、

「店舗デザインと売上成果との関連を、きっちりと根拠に基づいて明確化することは出来ないでしょうか。」

という相談がありました。

●集客・売上に寄与する店舗エレメントを発見する

当初、web消費者調査でやろうとしていたとのこと。

「消費者調査は、ニーズ把握には効果を発揮しますが、成果との関係性をつかむのはとても無理です。」
「評価基準を決めて、要因分析を行うのが最も確実です。」

とお応えしました。実は、これには苦い経験があります。消費者調査と要因分析を同時に行って、消費者調査の結果が実際店舗展開後、大きくズレていたことがありました。幸い、要因分析結果は誤差の範囲内だったので何とか目的を達することは出来ましたが・・・。

●施設内部要因を基本に集客・売上との関係式をつくる

要因分析とは、例えば集客数を成果の評価基準とした場合、店舗デザインのどのような要因が効果を持つかを統計的に検証していこうとするものです。外部要因の立地なのか、内部要因の店舗面積なのか、スタッフ数なのか、品揃え・サービスなのか等々です。

この場合、店舗要因の方がウェイトが高そうだったので、1、0(ゼロ)のカテゴリー変数を使うことにしました。店舗デザインの要素を変数とする場合、面積のように連続データで情報が押さえられる範囲は少ないと言えます。そこで、有無、水準などをカテゴリーデータでとらえた方が、より要素を多くピックアップできるという訳です。

店舗デザイナーにも協力してもらって、考え得る集客のための店舗要素を仮説ピックアップしました。これが集客・売上の要因になるかどうかを検証していきます。カテゴリーデータの場合、方法的には数量化理論Ⅰ類を使うのが一般的です。集客・売上との相関を見ながら、関係式づくりをしました。

●エレメントの組み合わせで集客売上が変化

出来上がった関係式の各アイテム(変数)のデータを入れ替え、集客・売上との関連性をシミュレーションしながら検討していきます。店舗デザイン構想にこれが大いに活躍します。つまり、どういう施設にすれば、どれだけの集客が出来るかが分かるからです。

こうして「A/Bテスト」を実行するように、エビデンスに基づいた成果の出る店づくりが出来ると言えます。この方法は、たとえ自社が未経験の新業態であっても、他社に類似例があれば応用できます。

webデザインに遅れを取りがちな、リアルの店舗デザインも、勘と経験だけからの構想から、エビデンスに基づく店舗構成が出来るようになるはずです。

何よりも、客観的根拠の裏付けがあると、成功の可能性はもちろんトップを説得しやすいと言うメリットも大きいようです。


ポイント 要因分析で、店舗デザインに変革を。

 

 

(2014年1月/当社事例集「様々なデータ活用で出店を成功させる6つの秘訣」より)

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